多数の皆さまのご参加をいただき感謝申し上げます。
入選句の内、秀句と特選句を紹介いたします。


兼 題
「 友 」 長島 敏子 選

友達が集いまつりになってゆく
友と酌む酒は桜の下がいい
スーパーの袋が似合う友がいる
友だちが笑った梅が咲きだした
友だから会えば反発してしまう
悪友も俺とおんなじ寂しがり
長生きのつっかえ棒は友らしい
友情は木綿豆腐の味がよい
お互いを頼っただろうタロとジロ
友達が100人入るランドセル

鳥 取
青 森
奈 良
大 阪
鳥 取
静 岡
和歌山
大 阪
和歌山
東 京

倉益 一瑤
福士 慕情
西澤 知子
赤松ますみ
大前 安子
山本野次馬
小谷 小雪
西出 楓楽
山東日出夫
山田こいし


友情は男結びの固結び
葉桜もすてたもんじゃあない友よ
大 阪
青 森
井澤 壽峰
瑙 霜石
兼 題
「 友 」 瑙 霜石 選

刑務所へ一緒に行ってくれないか
投げた球ちゃんと返してくれる友
友だちの亀と竜宮城へ行く
あなたにはうふふ友だちにはあはは
選挙カー友達ばかり乗っている
友という発光体を持っている
友達はみんな出世をしていない
善玉菌友からひとつまた貰う
友達はできたかホームのおじいちゃん
友達にいなかったんだドラえもん
大 阪
奈 良
大 阪
青 森
兵 庫
大 阪
鳥 取
島 根
奈 良
鳥 取
西村 哲夫
西澤 知子
燗c美代子
北山まみどり
上田 知宏
山岡冨美子
牧野 芳光
加本 精一
大久保眞澄
斉尾くにこ


湯たんぽはたった一人のお友だち
入院をするたび友達が増える
岡 山
大 阪
目賀 和子
山本希久子


兼 題
「書 く」 平田 朝子 選

身の恥を書いてブログが膿んでくる
お喋りな葉書表まで続く
書き終えた介護日誌に夜は無い
砂文字の恋をさらっていった波
カルテ書く医者がしばらく手を止めた
下書きが発芽するまであたためる
恩師への便り思わず正座する
下書きの線から絵師の苦が浮かぶ
百歳の筆矍鑠と夢一字
返信に親父の威厳添えて出す
三 重
大 阪
和歌山
和歌山
大 阪
鳥 取
広 島
富 山
広 島
宮 城
青砥たかこ
大川 桃花
玉置 当代
柏原 夕胡
江見 見清
細田 裕花
大森 昭恵
島 ひかる
村上 和子
木田比呂朗


諦めはしないと結ぶ闘病記
親心しのばせ遺書の封をする
大 阪
大 阪
平井美智子
古今堂蕉子
兼 題
「書 く」 新家 完司 選

筆圧の弱さを嗤うボールペン
鉛筆の芯に本気を注ぎ込む
父ちゃんのパンツと書いてあるパンツ
料金は箱へと書いてある美文字
果たし状やっぱり縦書きにしよう
パジャマ着て書いたと誰も思わない
古代文字君が好きだと書いてある
太い字を書いて男を主張する
まる文字で届くわずらわしい手紙
平凡な日々カタカナでバラと書く

兵 庫
奈 良
青 森
大 阪
兵 庫
大 阪
奈 良
大 阪
愛 媛
佐 賀
宮浮艪ォ子
居谷真理子
赤平くみこ
大川 桃花
中岡千代美
谷口  義
木嶋 盛隆
坂  裕之
大内せつ子
真島久美子


定年と書いて吹雪の中である
エンディングノートを書いてジム通い
島 根
愛 知
石橋 芳山
金子美千代

 

雑 詠
植野美津江 選

手を眺めふいに淋しくなってくる
雑念に囚われすぎる竹箒
いつまでをはしゃぐ花びら吹き溜り
宇宙史の一行くらい生きてやる
before after人間らしくなる時間
ストーリーに心拍数を足す映画
友情の縺れが千切れ雲になる
バカな実をいっぱい付けている余生
美しく背いたこともある手毬
菜の花の向うへ加齢脱ぎ捨てる
大 阪
京 都
奈 良
徳 島
愛 知
大 阪
青 森
奈 良
和歌山
大 阪
嶋澤喜八郎
赤松 螢子
安土 理恵
黒田るみ子
伊賀 武久
立蔵 信子
松山 芳生
古川 洋子
木本 朱夏
森中惠美子


澄んでくるまではひたすら浮いている
介護終了両の手に風が吹く
和歌山
広 島
小谷 小雪
田辺与志魚
雑 詠
小島 蘭幸 選

曾祖母にも一家言ありひな飾り
逆縁を詫びる知覧の遺書を読む
一過性ですが嬉しい紙吹雪
ガン告知された大きな秋だった
平熱に戻ると消えていたオーラ
追いかけるばかりの姉が居てくれた
雨上る 紋白蝶に戻ります
雪国に今年もやはり雪が降る
ひと恋えば坂ある街の靴の音
聞こえたよ蕾の中の笑い声
大 阪
兵 庫
栃 木
石 川
山 形
京 都
岡 山
大 阪
福 井
奈 良
澤井 敏治
谷口 修平
荻原 鹿声
新保 芳明
相田みちる
山田 葉子
しばたかずみ
鈴木いさお
中村 吉範
居谷真理子


裏口へ廻ると春が侘っていた
愛は愛はと千本ノック受けている
和歌山
大 阪
木本 朱夏
平井美智子

 

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