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佳 作
人の句 地の句 天の句
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口塞ぐそれは無理です女性なら
口ふさぐ手からはみ出る大あくび
断捨離のおすすめ本が棚ふさぐ
塞ぐよりショパンを真似て雨を聴き
近道をするなと父のバリケード
傷口ふさぐ瘡蓋という鎧
綻びをふさぐ詭弁が空回り
片耳をふさいで三世代同居
ふさがない傷口さらし生きている
無理に塞ぐと憤懣が破裂する
逃げ道を閉じていたのは血の絆
子があけた財布の穴がふさげない
目も耳も塞ぎ嵐を遣り過ごす
臆病が夢の入り口ふさいでる
自分ではふさげない人様の口
気がふさぐ時には二倍飲むビール
涙腺は無理して塞がなくていい
ふさいでもふさいでもまた汚染水
口ふさぎ出来ぬ無邪気な孫の口
口止めをしなきゃオウムにばらされる
逃げ道をたくさん作りふさぐ罪
とおせんぼガキ大将がしたイジメ
失恋の穴をふさいだ甘いもの
父だけがふさぐ娘の披露宴
孫台風が去って障子の穴塞ぐ
いつまでも塞ぎの虫が羽化しない
居酒屋で友に打ち明けふさぐ傷
ふさぐ気をナース笑顔で吹き飛ばす
靴下の穴をふさいではいていた
虫が鳴くふさぐ心をノックする
すぐ詫びてふさぐ炎上せぬうちに
ぎこちない笑顔の奥にある孤独
イヤホンを付けて独りの小宇宙
空を見てふさぎの虫を手なずける
封をするしあわせ零さないように
ジーンズの穴をふさいで叱られる
包帯でふさいだ傷が疼きだす
アンパンでふさいでいます淋しさを
胸の穴ふさぐ含蓄ある言葉
ふさぎ込む心に海を見せに行く |
しゅういち
落犀庵
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あら松
おおがまひろし
北田のりこ
北田のりこ
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光畑勝弘
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水野黒兎
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