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佳 作
人の句 地の句 天の句
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横たわる円周率のど真ん中
定位置にどっかり腰がおさまった
吹き溜まり ここで芽を出すことにする
転がらぬ石です苔が生えました
大仏の尻のほくろに諸説あり
ウインクも流し目もない家で飲む
シャガールの馬がなんだか肥えてきた
流されて妙に落ち着く橋の下
スポンジが落ち着くまでの三日間
恋破れまた図書館の奥の席
落ち着かせたいので弱火からトロ火
残り香を着て過去も抱きしめている
削除押し消してゆくただ消えてゆく
深呼吸わたしはひとりきりじゃない
冷静に見るとそうでもない美人
メビウスの輪を走る川内優輝
行く先は昔ながらの喫茶店
父親のような顔したブルドック
姿見に落ち着く場所がない比丘尼
高鳴りがゆっくり沈む「ぐりとぐら」
鮒釣りの腕時計から針の音
落ち着きも限度があろう「ナマケモノ」
待っていた雨へ農夫は手を伸ばす
ウォシュレットたばこ一服いい気分
駆けつけ三杯ほど飲みましたので
先着の後方左はしの席
仮面一枚脱いでお茶漬け食べて居る
猥雑な言葉が消える無菌室
ぼんやりとペンダコといる24時
欠けていたピースようやくはまった絵
鼻高いランチのあとのソーダ水
胡坐かく父はやっぱり畳の間
いつもの席でいつもの人と飲んでいる
落ち着いた暮らし退屈とも思う
落ち着くと面白くない人になる
落ち着いているというより無関心
味噌よりも豚骨よりも醤油だな
水になる前の湿りのなかにいる
断定の助動詞にそう云われたら
珈琲は濃い目にひとりきりの午後 |
なお
柳谷益弘
川本真理子
ホッと射て
西沢葉火
安藤なみ
米山明日歌
板垣孝志
たごまる子
居谷真理子
橋倉久美子
荒牧千晴
荒牧千晴
尾崎良仁
すずき善作
山田こいし
フーマー
上原稔
福村まこと
大内せつ子
斎藤秀雄
塚越孝一
野平光太郎
若芽
雨森茂喜
徳重美恵子
森廣子
森山盛桜
久保卓子
澁谷さくら
稲垣康江
山本昌乃
平井美智子
うちだあつこ
城崎れい
森下博史
稲垣康江
怜
雨森茂喜
新家完司
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